今こそ求められる食の多様性(フードダイバーシティ)対応

近年、インバウンド需要や国際会議が日本で開催されることが増え、更には日本国内に在住する外国人の増加に伴い、ベジタリアン・ヴィーガン・ペスカタリアン・ハラール・グルテンフリー等に配慮した食事メニューへの需要も高まっています。

例えば、神奈川県横浜市の国際会議場・パシフィコ横浜にて行われる国際会議の参加者は、

・ベジタリアン30%
・ムスリム15%
・グルテンフリー5%

であることがデータによって明らかになっています。

国際会議への参加者の半数が何かしらの「食のルール・主義」を持っているのです。

また、近年では外国人と関わる日本人が増え、それに伴い日本人の中でも上記のような食の多様性が進んでいます。その一例として、2018年の国土交通省の調べでは、ベジタリアンの数が日本人だけでも480万人にまで達していることが分かっています。

2014年に創業した当社・フードダイバーシティ株式会社においても、年々食の多様性推進を検討する方々からのお問い合わせは増えており、2020年も新型コロナウイルスが猛威を振るう中、過去最高数のお問い合わせをいただきました。お問い合わせをくださるのは自治体・行政・民間企業にとどまらず、学校等の教育機関・保険施設・入館管理局等にまで広がっています。

食の多様化が進むこの傾向は、東京オリンピック・パラリンピックが終了しても、インバウンド需要の回復や2025年の開催が予定されている大阪万博に向けて益々加速し、重要度は更に上がっていくと予想されます。

しかし、日本における食の多様性への配慮は、充分とは言えないのが現状です。

例えば、日本の飲食業界の現場で多く聞くこととして、

「アレルギーでないなら、結局好き嫌いでしょ?」

「緩い人たちもたくさんいるよね?」

「事前予約があれば出来る限り対応するけど、当日言われるからできない」

「郷に入れば郷に従うのが日本の文化です」

「過去に一度学んだけど、とても難しい話を言われた(特にハラール)」

上記のような声が多く、中々食の多様化に向けて対応する事業者が増えません。

しかし、これまで当社は海外で様々なイベント・国際会議に参加してきましたが、いずれの場でも食について真剣な取り組みが行われていました。なぜならば、「食の多様性を認めない」ことは「あなたのことは無視します」と同様のメッセージと捉えられるからです。

逆の立場で考えてみるととても分かりやすいでしょう。

例えば、日本人が海外のとある国からイベントに招かれ、そこでは「ねずみを使った料理」しか出されなかったとします。

そこで、「食べないのは好き嫌い」「ねずみを食べる日本人もいますよ」「事前にそう言ってくれないと困る」「郷に入れば郷に従え」と言われたらどう感じるでしょうか。その国からリスペクトを感じるでしょうか。その国の人々と友好な関係を築こうと思いますでしょうか。

そして、そのような対応をする国は国際的にどのような立場に置かれるでしょうか。

個々人が持つ食に対する価値観の違いを尊重し、皆が同じテーブルを囲んで食事を楽しめる環境作りは、外交及び他者との友好的な関係作りにおいて、とても重要な意味を持つと当社は考えております。

なぜ、これまでの日本で「食の多様性」は一般化してこなかったのか

国際社会の「当たり前」が、なぜ日本では当たり前ではないのでしょうか。

それは島国であり、且つ単一民族国家である日本にとって、食の多様性への対応はインバウンド需要の急激な増加によってここ数年で新たに現れた課題であり、これらについて学ぶ機会が他国に比べて圧倒的に少なかったからではないでしょうか。

一方、陸続きで多民族国家の国々は食の多様性について、日本のように「インバウンド対応」として学ぶわけではありません。「国民同士の相互理解」を実現するための手段の一つとして日々の生活に深く関わっているため、それらについて学ぶ機会は圧倒的に多く、既に「一般常識」「マナー」として定着しています。

しかし、学びが遅れているとされている日本においても、若い世代には一つの変化が見られます。東京の浅草に本社を構える当社ですが、修学旅行で浅草を訪れる学生を一年中見かけます。その中でも、明らかに異なる国籍を持つ両親から生まれた学生の数を見かける機会は年々増えてきています。実際、修学旅行における「食の多様性」に関する当社への問い合わせは年々増加傾向にあり、生徒の間でも「国民同士の相互理解」が深まっていることを感じます。昨今では学校の授業でも食の多様性について学ぶ機会が少しずつ増えてきていますので、今後の日本でも食の多様性を理解し、推進していくことが当たり前になることが予想されます。

これから対応していくにあたって、学ぶべき3点とは?

「食の多様性」への対応について、これまで当社は1,000を超える企業様にメディアとしての立場、そしてコンサルティング会社としての立場で向き合ってまりました。その中で成功事例だけでなく、当然失敗事例も多く見てきました。これまで見てきた事例から、「成功と失敗の分岐点」を突き詰め、当社では後述の3点にまとめました。

今では、これらのポイントを食の多様性に対応する初期段階で意識した企業様が順調なスタートを切り、継続して成果を積み上げています。

①食事ができない理由を整理する

そもそも人が「食事ができない理由」は大きく分けて3つあります。

それらは上記図の大分類で示される通り、「アレルギー」「食の禁忌」「好き嫌い」です。日本ではこれらのうち「アレルギー」と「好き嫌い」の二つの概念しか浸透しておらず、命に関わるアレルギー以外、例えば宗教上・主義上の理由から特定のものを食べないという考えは全て「好き嫌い」の一つと認識されてきました。イスラム教のハラールやユダヤ教のコーシャは宗教上の食に対する考えで、ベジタリアンやヴィーガンは健康だけでなく、環境問題や動物愛護の観点も含みます。グルテンフリーはアレルギーを理由にグルテンを避ける人もいれば、健康上のメリットを考えている人もいます。このように、「食の禁忌」の考え方は多岐にわたりますが、これまでの日本ではあまり馴染みのないものでした。しかし、上記のような「特定の食事ができない理由」を理解することは、孫氏が提唱する教訓の中で最も有名な「敵を知り、己を知れば、百戦して殆うからず」を実践することに繋がります。(お客様は敵ではありませんが、”他者”を理解することの重要性を説いていると認識します)

上記の表を理解することは食の多様性を理解することへの重要な一歩です。

②「正解」はないことを知る

絶対にこうでなくてはいけない

絶対的な正解を求めた結果挫折してきた日本の企業様は多数いらっしゃいます。

例えば、「ベジタリアン」と一言で表しても「厳格にヴィーガンを貫く人」から「極力野菜中心の食事を心掛けている人」まで様々です。同様に、イスラム教のハラールにおいても「ハラール認証を受けているものでなければ食べません」という人から、「豚を避けています」という人まで、その価値観は十人十色です。

つまり、食の多様化において絶対的な正解など存在しないのです。

しかし「どうすればいいのか?」と各専門協会や認証機関に問い合わせても、「絶対にこうでなくてはいけない」という、結局は0か100かを求められる話に終始することがほとんどです。例えるならば、「エベレストに登る覚悟がないのなら、登山を諦めた方が良い」と言われるようなものでしょう。専門機関である以上、絶対的な正解を示さなければならない立場も理解できますが、それを実現することは物理的にも費用的にも、日本では不可能なケースがほとんどでした。

では、実際に食の多様性推進において一定の成果を上げてきた日本企業はどのように対応してきたのでしょうか。

食の多様性への対応に成功した企業は、まず食の多様性について徹底的に学んだ上で、以下の様なポリシーを作り、「自分たちはここまで対応していますので、後はお客様の方でご判断ください」とのスタンスをとるようにしました。つまり、「これ以上を求める方は残念ですが対応できません」とはっきり意思表示することで、食事を提供するお店側とお客様の間にフェアな関係性を作り出したのです。

③「違い」よりも「共通点」を見る

食の多様性対応は「違い」よりも「共通点」を見る方が簡単です。

例えばヴィーガン対応のメニュー作りが求められた時に、使っていけない食材(違い)を整理し、0からメニューを組み立てるケースが多く見られます。もちろん、それが良くないと言うつもりはありません。しかし、普段から下記図が示すように一般のお客様とヴィーガンのお客様に提供する食事の「共通点」を整理しておくことで、急なヴィーガン対応にも慌てることなく、コストやオペレーションの面でも効率的な対応が可能になります。

毎回ヴィーガンのお客様からの予約が入る度にヴィーガン用の食材を調達し、0からメニューを作るとなると、オペレーションコストが大きな負荷となるだけでなく、料理人の属人的な対応になるため、事業者としてそれを継続していくことは困難と考えております。一方、事前にヴィーガンへの対応ができていると、同時に28アレルギーの約70%もカバーされることになるので、その汎用性は非常に高いと言えます。

私たちと一緒に食の多様性対応、やっていきませんか?

当社フードダイバーシティ株式会社ではこれまで多くの自治体・行政機関と連携し、各エリアの食の多様性対応に取り組んできました。

当社の基本方針は「ベジタリアン」「ヴィーガン」「ハラール」「グルテンフリー」など、それぞれを単一の価値観や主義と捉えず、全てを包括して対応を進めていくことです。例えばお客様が10名お店に訪れた時、一人がヴィーガン、別の一人がムスリムなど、多様な主義・価値観を持った方が同時に来店するといったケースは非常に多く、そのような際は単一的ではなく、包括的な知識・対応が求められるからです。

また「特定の主義・特定の宗教」という枠で進めていくと、公平性の観点で自治体・行政を巻き込みにくいですが、包括的な対応をすることによりこれらの問題も回避することができます。

ベジタリアン・ヴィーガン”単体”での取り組みをお勧めしない理由
ハラール・ムスリム”単体”での取り組みをお勧めしない理由

ぜひとも、当社と共に食の多様性を進めていきませんか?

(主な連携実績)

・自治体、行政 ※全て敬称略
内閣官房、農林水産省、JETRO、総務省、経済産業省、北海道、札幌市、旭川市、帯広市、宮城県、秋田県、福島県、東京都、台東区、横浜市、川崎市、千葉市、川越市、群馬県、栃木県、宇都宮市、佐野市、小山市、愛知県、名古屋市、長野県、高山市、飛騨市、石川県、富山県、滋賀県、大阪府、大阪市、京都府、京都市、京丹後市、神戸市、姫路市、広島県、松江市、岡山市、香川県、松山市、徳島県、みよし町、山口県、福岡県、宮崎県、高千穂町、大分県、別府市、人吉市、鹿児島県、鹿児島市、沖縄県等
・民間企業 ※全て敬称略
千房株式会社、日本ホテル株式会社、株式会社聘珍樓、株式会社グローバルダイニング、株式会社ホテル京阪、ロイヤルホールディングス株式会社、一般社団法人日本百貨店協会、株式会社ドン・キホーテ、ラオックス株式会社、株式会社博報堂、株式会社電通、セーラー広告株式会社、東武鉄道株式会社、エスビー食品株式会社、株式会社ニチレイフーズ、レッドロブスタージャパン株式会社、一般財団法人沖縄美ら島財団等

会社名:フードダイバーシティ株式会社
設立:2014年9月4日
資本金:9,000,000円
代表:代表取締役 守護 彰浩(Akihiro Shugo)
本店:〒111-0034 東京都台東区雷門1丁目16-8 小海ビル3F
TEL:03-5811-1947
Mail:info@food-diversity.co.jp

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