課題(2016年当時)
インバウンドは増えているものの、対策が十分であるためムスリム客の滞在時間が短い。
滞在時間を長くし、消費を増やすためにはどうすればよいか。観光案内所にもムスリムからも問い合わせが増えてきた。
解決方針
ハラール x 日本食を増やして、滞在時間を伸ばしていただけるようにしました。
実施した施策
台東区主催による飲食、宿泊、食品メーカー等向けセミナーの開催
店舗への個別指導、レシピ開発サポート、社員教育のサポート
在住ムスリムを集めての試食会の開催
『台東区ムスリムおもてなしマップ』の制作
ハラールメディアジャパンほかによる情報発信、SNSマーケティング
日本最大のハラール展示会『ハラールエキスポジャパン』の開催(2016、2017年)
Before:フードダイバーシティ対応する前
台東区は日本有数の観光地である浅草、上野が所在する区で、2015年当時インバウンド客は順調に増加していました。しかしながらムスリム客が滞在する時間が少なく、それは食事する場所が少ないことが原因でした。浅草にはムスリム客にも人気の日本食が多いため、ハラール対応すれば大きな成果が見込めると考えました。しかし老舗の多いエリアなので、最初は新しいことに挑戦してもらえるか不安でした。
フードダイバーシティ対応の流れ
After:フードダイバーシティ対応した後
『浅草ムスリムマップ』は『東京マップ for ムスリム 台東区』とバージョンアップし、第14版を発行するまで(2020年10月現在)になりました。「浅草ではせいぜい2食」と言われていた滞在時間は「最低でも二泊しないと全部回れない」と言われるほどハラール対応店舗が増えました。
ウィズ/アフターコロナとその先を見据えて
2016年と17年に開催された『ハラールエキスポジャパン』は世界から注目され、多くのムスリム客が台東区を訪れました。開催期間前後に渡って台東区に滞在した方も多く、それは「ハラールMICE」とも称されました。現在はベジタリアン・ヴィーガンにも注力しており、こうしたフードダイバーシティに対応した事業者がますます増えることを期待しています。